【就職】連帯保証人と印鑑証明書ってなに?

【就職】連帯保証人と印鑑証明書ってなに?

みなさんは就職が決まった家族、親戚、知人から「連帯保証人」をお願いされたことありますか?

私は家族からお願いされ「連帯保証人」と「身元保証人」、あと「印鑑証明書」を提出したことがあります。

知人からの依頼だったらさすがにお断りすることも考えますが、家族だったのでそうもいかず・・・。

しかし私自身、連帯保証人について良く知らないしネットでも調べてもサイトによって情報が曖昧だったりするので、意を決して弁護士に相談してみました。

今回はその時の話をしたいと思います。

連帯保証人ってなに?

家族が就職した会社は、一般的に提出が求められる身元保証書とは別に連帯保証書も要求される会社でした。

私としても初めての経験だったので、本当に両方提出する必要があるのか、家族を通して就職先の人事担当者に問い合わせてみました。

それぞれ以下の回答をされました。

身元保証人:身元を保証するため 
連帯保証人:取り扱うお金も大きく、よからぬことを考えるがえる人が多いため抑止の意味を込めてお願いしている

「よからぬこと」というのは、おそらく横領などでしょうか。

ちなみに以下は連帯保証書に実際に記載されていた内容です

被用者が在籍する期間は連帯して身元を保証します 

雇用契約に違反、または故意もしくは重大な過失によって貴社に金銭上はもちろんのこと、業務上、会社の信用上において会社に損害を与えた場合は、直ちに本人と連帯して賠償責任に応じます

「直ちに本人と連携して賠償責任に応じます」ってどういうことーーー!?、と思ってすぐに弁護士に相談!

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弁護士:身元保証人も連帯保証人も賠償責任はありますが、保証人となる時点では現実にどれだけの債務が発生するのかが明確にはなっていないので、仮に家族が横領して逃げたとしても、会社側もそこに至るまでの監督責任を問われます。

弁護士:また、業務に適任でない場合や問題を起こすおそれがあるとわかったとき、会社は身元保証人に通知をしなければならず、身元保証人はその通知を受けた時点で将来に向かって契約を解除できることになっている。

弁護士:横領した金額、または会社側が言ってきた金額すべてを払うことはない。

なるほど、全額払う必要はなさそう。けど何かあったらいくらかは払う可能性があるということね・・・。

普通に仕事をしていたら問題ないと思いますが、書面に印を押している以上、将来賠償請求をされる可能性はあるわけです。

結論としては、保証人を依頼されたら依頼人と会社を信用出来るかどうかの問題になるわけです。

もし少しでも信用できないのであればきっぱり断った方が良いです。ご自身のためにも。

また、2020年4月から施行された改正民法では、身元保証契約が変わっていて、保証人となる時点でどれだけの金額の債務を保証するのかが分からない契約(根保証契約)は無効となっています。

私がサインしたのは2020年1月だったので、改正される前だったのですが、みなさんに渡された書類に限度額が記載されていないなら依頼人を通じて会社に問い合わせてみて下さい。

・連帯保証人であっても損失を全額支払うことはない
・依頼人や会社を少しでも信用出来なければ押印しない

印鑑証明書の提出について

こちらについても初めてのことだったので、依頼人から会社に確認してもらいました。

会社からの回答は以下の通りです。

・保証書に押してある印鑑が実印かどうか確認するため
・印鑑証明書を一緒に提出することで「確かに本人が実印を使って押印した」と確認するため

実印というのは役所に登録したハンコのことで、公的に認められたハンコを指します。重要な書類に使われるハンコと認識すればいいです。

実印を押した保証書と印鑑証明書を一緒に提出することで「確かに本人が実印を使って押しました。」と証明することが出来ます。

つまり、何かあった時に「私はサインしてません」「依頼人が勝手にサインと印鑑押したんです」等とごまかすことが出来ないのです。

でも初めてのことだと、「印鑑証明書を提出しても大丈夫なの・・・?」、と不安になりますよね。

こちらについても弁護士に聞いてみました。以下、弁護士から聞いた対応方法です。

印鑑証明書の余白に使用用途を記載し、コピーを取っておきます。ちなみに私は「就職における身元保証のため」と記載しました。

提出時に原本とコピーを持っていき、会社側にその場で印鑑証明書と保証書の印鑑に問題ないことを確認してもらいます。

確認のみであれば、そのまま原本とコピーを持ち帰ります。提出が必要と言われたらコピーを会社に渡して原本は持ち帰りましょう。

サイトによっては、コピーを取り保管と書かれているものもありましたが、印鑑証明書は公正証書の作成にも使われる重要なものとなりますので原本を相手に渡すということは、パスポートや運転免許証を会社に渡してしまうことと同じです。

印鑑証明書の原本は絶対に持ち帰って下さいね。

もし「コピーではだめです」などと言われたら、理由を聞いてみて下さい。おそらくまともな回答は返ってこないと思います。

「会社で決められている」、といった根拠のない理由で一点張りするような会社なら入社してからも色々ありそうなので、やめておいた方が無難かと思います・・・。

また、提出した後に新しい印鑑で登録し直せば良いという記事も見かけましたが、それは何の解決にもなりません。

提出した時点で有効な実印を使用しているので、その後登録し直しても意味がありません。

なので安易に提出しないように気を付けてください。

連帯保証人という言葉自体、悪い方向に想像しがちですが、どれだけ考えても依頼人と会社を信用出来ないのであれば、きっぱりと断ることをおススメします。

私は、断れませんでしたが(汗)。

今のところ依頼者である家族はトラブルも無く、真面目に働いています(笑)。